Page 11 - スライド 1
P. 11

審査委員長、内田康博建築研究所  内田康博

                      今年も 400 点近くの作品の審査にあたりましたが、判断基準は以下の通りです。
                                                                           湖北子ども食堂
                    ・造形的美しさ。
                    ・素材の組み立て方の創意工夫。新しい試み。
                    ・制作にあたってのエネルギー量。感じられる熱意。
                    ・地上から天に向かう造形の勢い。

                      以上を総合的に判断しています。

                      知事賞は以下の 3 点です。
                      「湖北子ども食堂  Liaison」の作品は一目でゴジラとわかる彫刻のような見事な造形作品で、細いヨ
                                                                                     ひれ
                    シを縦横無尽に組み合わせ、ゴジラの力強い迫力と、複雑な形状の皮膚や鰭をリアルに感じさせます
                    暗くなると体内でマグマが燃え盛るような光が灯され、目と口の奥が輝きます。これまでにない新しい
                    作品でした。
                      「安土中学校美術部」の作品は、ヨシを水平に積み重ねる基本的な手法で、規模を拡大し迫力を生
                    んでいます。内部にも幾重にも積み重ねられ、灯りが内側で複雑に反射してから外部に漏れるところ

                    も魅力的です。
                      「成安造形大学住環境デザインコース2年生」の作品は、ガッチリとした大小の六角形のトンネルの
                    外殻の内部に柔らかいヨシの穂を内向きに密集して並べ、どこか別の世界に通じる入口のようです。
                    暗くなるとトンネルの内側の穂の先だけが照らし出され、柔らかく包まれるようです。


                      今年の新しい動きとして、小中学生で出展していただいていた方がその後一般参加で作品の精度
                    を大幅に向上させて出展していただいたこと、公民館にて家族単位で非常に精度の高い大作を制作
                    いただき、出展いただいたことが印象的でした。


                      参加して 7 年目になりますが、こどもたちの作品の中にも毎年、次々と新しい試みがみられること、
                    一般参加の皆様の制作意欲、創意と熱意に触れることができるなど、毎回楽しみにしています。そし
                    て改めて、400点近くの多数の作品が一堂に並ぶ西の湖の風景は、他ではみられない壮観であるこ
                    とを振り返りつつ、参加者の皆様とすべてを準備されるスタッフの皆様に感謝を申し上げます。



















                        安土中学美術部
                                                                     成安造形大学住環境デザイン2年生
                                                                                                 西の湖



                                                              9
   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16