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成安造形大学 立神まさ子
15 年前、第 1 回「ヨシ灯り展」開催。ヨシ刈りボランティアから新
しい取り組みをと主催宣言をされた葭留・竹田勝博さんと思いを共
にされた安土の皆さんのお力で開催されました。開催場所は?、参
加募集は?、作品の制作は?、予算は?、運営は?・・・多くの課
題を「何としてでも開催する」という思いで開催された第 1 回。リ
ーフレットには第 1 回という文字を入れることができるなどと、15
年前の私は想像も出来なかったと思います。ワークショップは今で
も初めて接した子どもたちとのドキドキした感覚や制作した作品、
迎えてくださった小学校の先生方との会話、シーンが心に残ってお
ります。作品を作ることは、子どもたちと同じ目線であること、一
緒に作っている感覚を大切にすること。そして何より作品を作り終えた時の子どもたちの笑顔と創作豊
かな作品が見たくて 15 年安土に足を運びました。
作品展は、今や電気工事も完備された会場ですが、第 1 回はなんと 100 円ショップのタッチライトが光
源でした。今年会場で「あの時は大変でしたね、開催中に作品全ての電池交換をしてたなんて」と竹田
さんと思い出し笑いを致しました。しかしながら、その笑いの奥にこそ、あの「何としてでも」という
強い皆さんの思いが結実し、今の「ヨシ灯り展」になっていったのだと思います。
第 1 回から出展した大学作品、学生達は西の湖の風景、ヨシの生命力、素材としての魅力、ヨシを取り
巻く様々な事柄を考察し、自分たちのコンセプトを導きだし、形を創造していきます。ヨシを、感じて
ほしい。どんなふうに?作品に触れた人が、自分たちの思いを受取り、灯りがともった時、より感性を
ふるわせるような作品を創りたい。技法、手法、表現は、年数を重ねるほど、頭打ちになるのではない
かという不安を払拭し、ヨシの穂や皮まみれになりながら奮闘し、新しい作品を生み出しております。
今年の大学作品はどうですか?聞いて下さる安土の皆さんのご期待が嬉しく、そのご期待に応えられる
よう、これからも学生と共に取り組んで参りたいと思います。
9 月 24 日「ヨシ灯り展」搬入、会場づくりに集まって来て下さる地域の皆さん。軽トラや乗用車に大切
に乗せられて運ばれてくる作品達。よしきりの池を目指して数百点の作品が集結。天から見てみたい風
景、運ばれてくるのは作品ですが、作品展に向けての思いが一緒に運ばれてくるようにも思えて、この
15 年 15 回何千もの作品が思いとなりここに運ばれてきたのかと
思いますと、胸が熱くなりました。
15 年の思いを、開催に関わってこられた事務局や地域の皆様の
ご尽力に相応しい言葉にしてどうお届けすればいいのか、感謝や
お礼と言う言葉ではあまりに物足りず、「ヨシ灯り展」の未来の
支えとなりますよう、微力ではございますが私なりに、安土の皆
さんと共に歩んでいきたいと思います。
湖北子ども食堂 ゴジラ:立神まさ子撮影
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