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西の湖ヨシ灯り展実行委員  浅野洋治


                 平成 22 年からほぼ毎年、こだわりの作品を出展し続けて 12 年が過ぎた。この間、ヨシ灯り作品作
              りの指導とお手伝いにも励んできた(詳細は『第 14 回西の湖ヨシ灯り展』p.16 参照)。今回は安土中
              学 2 年生とともにはじめての大型作品に挑戦した。

                 じつは以前から大型の作品を作ってみたいと願っていたものの、なかなか機会に恵まれなかった
              ところが、今年は安土中学 2 年生 3 クラス 106 人で一つの作品を作って出展したいということで、指
              導役を引き受けることになった。
                 何をどのように作るか悩んだ末、全員参加型の「大型あんどん」を提案した。各生徒がヨシペンを
              作るところから始め、ヨシ紙に西の湖の自然を描いてヨシペン画の小さな掛け軸をつくる。106 人分の
              掛け軸をクラスごとにヨシ製の大きな直方体にはめ込み、光を入れた。会場では斜めに並べ絵屏風
              ふうに演出した。

                 世の中は進化して、いまや中学生は 1 人 1 台のタブレットを使用している。コロナ禍の中、直接指
              導ができなくなるかもしれない。そこで YouTube によるオンライン指導を思いついた。工程を分割し 9
              本の動画(1 本は約 5 分)をスマホで自撮り編集して制作した。晴れて YouTube に投稿したとたん、
              緊急事態宣言で中学校に出入りできなくなってしまった。2 週間ほどして突然、「作品が出来上った」
              との知らせに驚いた。新聞にも作品制作の記事が掲載され一安心。対面でお手伝いが出来なかっ
              たのが少し残念だが、目的は達せられた。今回は地域のボランティアのみなさん、学校担任の先生
              たちの協力が大きな支えになった。
                 以前は一人で試作を繰り返しては作品作りに没頭していたが、企画・連絡調整・材料準備等々チ
              ームワークの必要なプロジェクトを体験させてもらった。生徒たちとともにヨシを組み立てた手の感触
              と夜の灯りに浮かんだ作品の感動を共有できたことをうれしく思う。

                 かつてヨシ製品は身近にあったが、ある時代から我々世代は一気に国産のヨシを使うことをやめ
              てしまった。このことは昨今問題になっている地球温暖化と無縁ではない。この作品作りの行動がそ
              の反省のひとつだと思いたいし、小中学生が大人になって「あっ!これはヨシを使うといいかも」ヨシ
              を使うヒント・試しになれば最高だと願っている。














                      1.完成のイメージ図              2.友達家族の鑑賞             3.灯りに浮かんだ作品












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